⑥WEB集客は「掛け算」で強くなる|クロスメディア戦略という考え方

ここまでの①〜⑤のコラムで、
WEB集客の全体像と、施策ごとの役割・順番についてお伝えしてきました。
ただ、多くの中小企業が実際に直面するのは、
「広告をやってみたけど成果が出なかった」
「SNSを頑張ったけど続かなかった」
「ホームページを作っただけで止まっている」
といった、“施策単体で終わってしまった状態”です。
これは、施策が悪いのではありません。
全体をどう組み合わせるかという「設計」がなかっただけです。
最終回となる今回は、
それらをどう組み合わせるべきかという
「全体設計=クロスメディア戦略」の考え方を整理します。
クロスメディアとは何か?
クロスメディアとは、
複数の集客手法を役割分担させ、相互に連動させる設計のことです。
- ホームページだけ
- MEOだけ
- 広告だけ
- SNSだけ
といった「単体施策」ではなく、
- 認知
- 興味
- 比較検討
- 教育・信頼
- 問い合わせ・成約
この一連の流れを、
複数のメディアで分担して支える考え方です。
なぜ今、クロスメディアが必要なのか?
消費者の行動も変化している
少し前までは、
- 情報が限られていた
- 比較できる選択肢が少なかった
- 営業や紹介の影響が大きかった
という環境でした。
しかし現在は、
- 企業の発信
- Googleマップや口コミ
- SNSの評判
- 比較サイト
- AIの要約
など、
複数の情報を行き来しながら判断するのが当たり前です。
だからこそ、
一つの施策だけで完結させようとすると、
どこかで取りこぼしが起きます。
情報量が爆発的に増え、流れが速くなった

また、よく言われる話ですが、
現代人が1日に触れる情報量は、江戸時代の人が1年で得ていた情報量に匹敵する
とも言われています。
それだけ、
- 情報が多い
- 選択肢が多い
- 流行の移り変わりが早い
という時代です。
タピオカブームや名前の長い食パン屋さんのブームも
で流行 → 飽和 → 衰退まで数年で起きましたよね。
ビジネスの寿命も短くなっている

かつては
20〜30年で1サイクルと言われていたビジネスモデルも、
現在は
2〜3年で次のサイクルに移行する事業が増えています。
だからこそ、
- 紹介頼み
- 下請け一本
- 店舗周辺の昔からの顧客だけ
といった単一の集客構造で事業を続けるリスクは年々高まっています。
「集客の柱」を複数持つという考え方

だからこそ重要なのが、
集客の柱を、1本ではなく複数持つ
という考え方です。
どれか一つが止まった瞬間、
売上が一気に不安定になります。
今は安定していても、
- 取引先の方針転換
- 担当者変更
- M&A
など、
自社ではコントロールできない要因で
環境が変わることも珍しくありません。
クロスメディア戦略は、
売上を伸ばすためだけでなく、
売上を守るためのリスク分散設計でもあります。
具体的にどう考えればいいのか?|3つのケーススタディ
ここからは、
「こうすれば成功する」という話ではなく、
こう考えるとズレにくい
という視点で、
よくある3つのケースを整理します。
具体例①| 新規事業を立ち上げる場合【リフォーム会社の例】

リフォーム業・外構工事・解体工事など、
すでに実業がある企業が
新たなフロント商品として別事業を立ち上げるケースです。
たとえば、
- 便利屋
- 不用品回収
- 軽作業サービス
など、
ライトなニーズで関係値を作り、今後の見込み顧客を集める事業を入口にするケース。
ここで重要なのは、
最初から成功前提でお金をかけすぎないことです。
なぜ段階設計が必要なのか?

新規事業で最も避けたいのは、
・初期投資をかけすぎる
・うまくいかなかった時に撤退できない
という状態。
だからこそ、まずは 小さく検証 → 当たりを見つけて拡張 の順に進めるのがズレにくいです。

第一フェーズ(例:月商100万円まで)
目的
今すぐ客の需要確認
実施施策
- MEO(Googleマップ対策)
- LP
- 小額広告
この段階では、
「需要があるかどうか」を確認するのが最優先です。
MEOや広告で「地域名×ニーズ・サービス名」を着実にLPに集約させ、お問い合わせを狙います。
第二フェーズ(例:月商300万円まで)
目的
安定集客・再現性の確立
実施施策
- ホームページ整備
- SEO対策
- 顧客属性に応じてLINE/メルマガ
- 地域イベント・お祭りへの出店 など
オンライン×オフラインを組み合わせ、
地域での認知を広げていきます。
いわゆる「今すぐ客」だけではなく、今後の見込み顧客と繋がり、
受注できる顧客リスト(ハウスリスト)を広げていきます。
LPだけだとSEO的に受け皿が薄くなりがちなので、
ホームページ側で「悩み別・サービス別ページ」を作り、検索にヒットしやすい状態を整えます。
第三フェーズ(例:月商500万円まで)
目的
指名検索・ブランド形成
実施施策
- SEO強化
- 広告予算の拡張
- デジタルサイネージ
(金融機関・商業施設・映画館・電車など) - 地域新聞・バス・タクシー広告
- 他社とのアライアンス設計
この段階では、
「今すぐ客」と「見込み顧客」でビジネスが常に回っている状態。
地域で「何か困ったら〇〇さんだね」と認識・検索してもらえるよう(=指名検索)
直接効果の分かりずらい、マス広告にもブランド形成費用として少しずつ投資をしていくことも大切です。
具体例②|既存事業をさらに伸ばす場合【歯科医院の例】

歯科医院のように、
すでに一定の集患があるケース。
すでに
- MEO
- ホームページ
- 広告
- SNS
をある程度実施しているが、
さらに集患を伸ばしていきたい・良質な顧客を集めたいケースを考えてみます。
今すぐ客を取りに行くリスク
ここで注意したいのが、
今すぐ客を取りに行きすぎるリスクです。
「歯が痛い」「今すぐ診てほしい」層だけを
広告で集めると、
- クレームが増える
- 口コミ評価が下がる
といったことも起きやすくなります。
そこで考えたいのが「予防層」
安定経営のカギは、
・予防歯科
・小児歯科
・定期検診
といった
歯が痛くなる前の層を集めること。
クロスメディア設計の具体例
そこで効果的なのがサテライトサイトの設計です。

- 分野ごとの専用サイトを作る
- 予防段階の人が検索しそうなキーワード記事の作成
- 悩み別・サービス別ページを作り、SEOで表示されやすい体制を作る
- SEO対策で検索表示を狙う
もちろん、
MEO未対策であればまずはそこから。
「歯がすでに痛い人が来づらい設計」
を意図的に行うことが重要です。
具体例③|BtoB企業の場合(やり方はまったく違う)

――地域ビジネスとは別設計が必要
運送・製造・IT企業など、BtoBの場合、
地域ビジネスと同じ設計ではうまくいかないことも多いです。
立ち上げ初期は「営業・人脈」が最優先
BtoBの立ち上げ段階では、
・営業
・人脈
・紹介
が最優先になるケースがほとんど。
この段階で
広告やSEOを先にやっても、
売上につながりにくいこともあります。
大口の資金調達をして一気にスケールするスタートアップでもない限り、
マーケティングから入っていくのは難しいでしょう。
実績が溜まってからが本番
- 事例公開
- 資料DL
- コンテンツSEO
- インサイドセールス etc…
などを組み合わせて
低ハードルな接点を増やす設計が必要になります。
BtoBは、
地域ビジネスとは
考え方そのものが違うという前提が大切です。
クロスメディア戦略の本質

ここまで見てきたように、
- 業種
- フェーズ
- 目的
によって、
やるべき施策はまったく異なります。
だからこそ大切なのは、
現状整理
↓
足りない部分の特定
↓
段階的な施策設計
です。
最後に|全体設計からご相談いただけます
FINEXTでは、
- 特定の施策を売りたい
- ツールを押し付けたい
というスタンスは取っていません。
なぜなら、
順番を間違えた施策は
どれだけ良い手法でも成果が出づらいからです。
まずは、
- 今のフェーズ
- 予算
- やりたいこと
を整理した上で、
必要な施策だけを組み合わせてご提案しています。
そのため、
コンサルティング費用はいただいていません。
「何から手を付けるべきか分からない」
そんな段階からでも、
お気軽にご相談ください。
